指定添加物として使用が認められている食用赤色104号(R104)および105号(R105)中のヘキサクロロベンゼン(HCB)の電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフ(GC-ECD)による分析法の検討を行った.色素を水に溶解後,ヘキサンで抽出し,無水硫酸ナトリウムで脱水したものを,試験溶液とした.GC-ECDにおける分離は,カラム InertCap 5MS/NP (30 m×0.25 mm i.d., 膜厚0.25 μm),カラム温度60℃ (1 min)→20/min→150℃ (10 min)→20℃/min→280℃ (5 min),注入口温度260℃,検出器温度300℃,キャリヤーガス窒素,注入方法スプリットレスを用いて行った.R104, R105にHCBを2および5 μg/gとなるように添加し,5分析機関で添加回収試験を実施したところ,平均回収率は,98.2~103.7, RSDrは,2.9~6.0%, RSDRは,4.2~9.3% であった.また,HORRAT値は1未満と室間再現性は良好であったことから,本分析法の妥当性が確認された.