農産物中のドジンをLC/MSを用いて分析する方法を検討した.試料からアセトニトリルおよび含水アセトニトリルで抽出した後,酢酸エチルに転溶し,PSAミニカラムで精製し,LC/MSのESIポジティブモードで測定する方法を開発した.種実類には,転溶操作の前に塩酸添加アセトニトリル/ヘキサン分配による脱脂を,ほうれんそうなどにはグラファイトカーボンミニカラムによる精製を追加した.農産物16種類の試料からの回収率は80.3~100.0%(相対標準偏差0.3~6.4%),検出限界は0.0006mg/kg ( S/N =3)であった.開発した方法は操作が簡便であり,また,一律基準値レベルの分析に対して十分な検出感度を有しており,農産物中のドジンの残留分析に有用と考えられた.