遺伝子組換え(GM)トウモロコシの新たな定量的スクリーニング分析法として,二重リアルタイムPCR法を開発した.開発した方法は,現在別々に実施されているCaMV35Sプロモーター配列(P35S)とこれを含まないGA21系統特異的配列の検出を1回の反応で同時に実施することができる.また,本二重PCR法での使用に最適化した新設計のキャリブレータプラスミドも同時に開発した.室内試験によって本法の精度を検証した結果,本法は従来の単リアルタイムPCRによるGMトウモロコシの標準分析法とほぼ同程度の精度を示した.本法は,個別に実施していた2種類のリアルタイムPCR反応を1回のリアルタイムPCR反応で同時に分析可能なため,検査にかかるコストおよび時間をこれまでの半分程度にすることが可能である.われわれは,本法をGMトウモロコシの新たな定量スクリーニング分析法として提案したい.