魚類アレルゲンの1つとして同定されているコラーゲンのIgEエピトープを,ニジマスコラーゲンα2鎖をモデルとして検討した.ニジマスコラーゲンα2鎖の全長をカバーするオーバーラップタンパク質5種類(R1-5)を大腸菌で発現し,コラーゲンを認識する魚類アレルギー患者の血清を用いたイムノブロッティングによりIgE反応性を調べた.最も強いIgE反応性を示したR5タンパク質の全長をカバーするオーバーラップペプチド26種類(1-26)を合成し,患者血清を用いた蛍光ELISAを行ったところ,主要なIgEエピトープはペプチド16(領域941-960)に含まれると判断した.アミノ酸配列の比較および合成ペプチドのIgE反応性評価により,ペプチド16の領域は魚類コラーゲンα2鎖の共通のIgEエピトープであると考えられた.