畜水産物中のクロフェンセットをLC/MSを用いて分析する方法を検討した.試料にヘキサンを加えて脂肪を溶解した後,含水アセトニトリルでクロフェンセットを抽出し,抽出液をC18ミニカラムで精製した.溶出液を濃縮後,1% 炭酸水素ナトリウムを含む10% 塩化ナトリウム溶液を加え,酢酸エチルで洗浄後,塩酸で酸性とし,酢酸エチルに転溶した.溶媒を除去後,残留物を水-メタノール(7 : 3)に溶解してLC/MSで測定した.畜水産物10種類の試料からの回収率は77.8~97.8%(相対標準偏差0.6~5.8%)と良好な結果が得られた.クロフェンセット0.01 mg/kgを添加した各試料のクロマトグラムでは,クロフェンセットのピークは S/N >10であり,また,定量を妨害するピークも認められなかった.