魚肉中のヒスタミンの分析を目的として,2種類の固相抽出カートリッジカラムを直列に連結した精製法を検討した.魚肉中のヒスタミンを,トリクロロ酢酸溶液を添加し,ホモジナイズして抽出した.その上清を中和後,中性リン酸緩衝液で希釈し,ODSの下部にSCXを連結したカラムで精製した.試験溶液をフルオレスカミンで蛍光誘導体化し,蛍光検出器付きHPLCによる測定の結果,クロマトグラム上に妨害ピークがほとんど見られなかった.6種類の鮮魚および水産加工品における添加回収試験の結果,平均回収率は83~92%,相対標準偏差は5% 以下であった.本法は,魚肉中のヒスタミン分析法として有用であった.