LC-MS/MSを用いた畜産物中のポリエーテル系抗生物質およびマクロライド系駆虫薬一斉分析法を検討した.試料にアセトニトリルを加えて抽出し,分散固相抽出とシリカゲル固相抽出カラムを用いて精製を行った.10検体を約3時間で前処理することができ,迅速一斉分析が可能であった.畜産物での添加回収試験を実施した.マトリックス添加検量線を用いた定量結果は,牛肝臓のナラシンおよび牛乳のナラシン,ラサロシドを除き真度は70~117%,相対標準偏差はガイドラインの目標値以内と良好であった.また,定量下限は0.00005~0.0005 μg/gであった.