ステンレスネジ山の表面に塗布した非チフスサルモネラ(NTS)のバイオフィルム産生株2株およびバイオフィルム非産生株2株の乾燥状態における生存性を調査した.NTSを109 cfu/mLに増菌したトリプトソイおよび卵黄液5 μLを六角ボルトの雄ネジの表面に塗布した.菌液塗布後,雌ネジを雄ネジにねじ込んだ後,離したものをセパレートタイプ,ねじ込んだままのものをユニットタイプとした.この2つのタイプを20.0~25.0℃,湿度2~15%に保持し,定期的にNTS数を算出した.バイオフィルム産生株は336日経過後においてもすべての検体(8検体) から検出された.しかし,非産生株は336日経過後で8検体中2検体からのみの検出であった.ネジ山表面に塗布したNTSは約1年間生存したことから,溝や平面でない表面がある施設・器具にNTSが汚染した場合,NTSは長期間施設・器具に生存することが判明した.また,二次汚染の危害はバイフィルム非産生株より産生株のほうが高いと思われた.