GMダイズ検査において,通知法に収載されているDNA抽出キットのうちGM quickerとその他のキットから得られるDNAの品質とキットの簡便性を比較検討した.DNAの品質はDNA溶液の吸光度と内在性遺伝子であるレクチン遺伝子のコピー数を指標に,簡便性は抽出開始からリアルタイムPCRに供するDNA溶液を得るまでの作業時間を指標にして評価した.穀粒ではGM quickerが品質・簡便性共に他の抽出法より優れていたが,加工品への応用では通知法どおりに行うと良好な結果が得られなかった.加工品用キットGM quicker3を用いた場合品質の良いDNAが抽出できたため,GM quicker3用プロトコルでGM quicker とその付属の試薬を用いて加工品からの抽出を試みたところ品質・簡便性共に大幅に改善された.以上のことからGM quicker用プロトコルを一部変更することでGM quickerは加工品にも適用可能であり,GMダイズ検査キットとしてその有用性が明らかになった.