遺伝子組換えコムギ検知法への適用を目指し,コムギの内在性遺伝子候補としてプロリンリッチプロテイン( PRP )遺伝子の評価を行った.リアルタイムPCRにおいて, PRP 遺伝子は普通コムギとデュラムコムギでのみ増幅が得られ,他の10作物では増幅産物が得られなかった.コムギの銘柄・品種間の比較では,増幅産物の大きさ,強度,Ct値がほぼ同等で,非特異的な増幅産物も見られなかったことから,コムギ間に反応性の差はないと考えられた. PRP 遺伝子のコピー数は,1ハプロイドあたり1もしくは2コピーであり,検出限界は5ハプロイドゲノムコピーであった.以上, PRP 遺伝子はPCRを利用した遺伝子組換えコムギ検知に有用な内在性遺伝子として利用可能と判断された.