微量液体希釈法(BMD法)は,臨床・検査標準協会(CLSI)のガイドラインに規定された薬剤感受性試験法の1つである.現在,わが国の家畜衛生分野における薬剤耐性モニタリング体制(JVARM)では,薬剤耐性指標細菌である腸球菌を対象とした試験において,寒天平板希釈培養法(AD法)が採用されているが,本法は甚大な時間と労力を要する試験法であるため,より簡素で効率的な方法であるBMD法への移行が望まれている.そこで,腸球菌薬剤感受性試験へのBMD法の応用性を検討するため,両試験法の2倍希釈法にかかわるMIC値の相関性について比較検討を行った.14薬剤中,ノシヘプタイド(NHT)以外の13薬剤で,両試験法のMIC値の濃度差,MIC50およびMIC90は良好な一致を示し,またMIC値分布に,薬剤濃度依存性が認められたことから,両試験法には良好な相関関係が認められた.