GC-FIDを用いたトランス脂肪酸分析法の性能評価手法ならびに性能基準値を検討した.測定法は,The American Oil Chemists' Society(AOCS)の公認法(Ce1h-05)を原法とした.一般食品からの脂質抽出法は,衛新第13号に記載の方法およびAOAC 996.06を原法とした.分散推定時の自由度が4以上になる実験計画に従い添加試料を分析し,得られた一群の定量値から真度および精度を推定することを性能評価手法とした.添加試料の調製には,食品に含まれる蓋然性の低いトランス脂肪酸分子種を用いた.実際に推定した真度および精度の解析結果に基づき,90~110%を真度の基準値,相対標準偏差として10%を室内精度の基準値とすることが提案される.