組成と表面仕上げの異なる4種類のステンレス表面に添加した Salmonella Enteritidisの生残性と菌の回収について調査した.バイオフィルム産生能の異なる2株の S. Enteritidisをトリプトソイブロス(TSB)と卵黄液(EY)で培養し,ステンレスの表面に添加した.乾燥状態(22℃)で保管した後,綿棒を用いたふき取り法により生残菌を回収し,回収菌数とステンレス表面に残った菌数を測定した.バイオフィルム産生能の高い菌の生残率は,産生能の低い菌の生残率より高かった.TSBで培養添加された菌の生残率は,EYで培養添加された菌の生残率より高い傾向が見られた.ステンレス組成と表面仕上げの違いに基づく菌の生残率と回収率には有意の差は見られなかった.一例を除いて,添加された S. Enteritidisの98%以上が綿棒を使用したふき取り法により回収された.