独自に開発した残留農薬一斉分析法について,「食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライン」(以下,ガイドライン)に則って評価を行った.本法は,ポリプロピレン製遠心管に採取した試料をアセトニトリルで抽出後,塩化ナトリウム,無水硫酸マグネシウムおよびクエン酸塩を添加して塩析・脱水し,得られたアセトニトリル相をグラファイトカーボン/ PSA積層カラム(かんきつ類ではC18カラムを追加する)で精製し,LC-MS/MSで分析する.本法を8種類の野菜類および果実類に適用した.各食品に0.01および0.05 μg/gになるように161種類の農薬を添加して,各濃度において分析者1名が併行数2で5日間の枝分かれ試験を行い,真度,併行および室内精度を算出した.その結果,両濃度で8種類すべての野菜類および果実類についてガイドラインに示される目標値を満たした農薬は127種類であった.