3種の殺虫剤クロルフェナピル,ピリミホスメチルおよびクロチアニジンをチャに散布して被覆下で栽培し,摘採後の茶の加工工程および熱湯浸出時における農薬の消長を調査した.生茶葉に加熱や発酵などの加工工程が入ることで,加工茶における農薬残存率は減少したが,加熱時間や発酵時間が長く,熱が茶葉へ伝わりやすいほど減少した.また,普通煎茶において3農薬の農薬残存率に有意差は認められなかったが,ネオニコチノイド系のクロチアニジンのように,オクタノール/水分配係数が低く水溶性の高い農薬ほど,茶浸出液への移行率が高くなる傾向が見られた.一方,粒度による農薬移行率に有意な差は認められなかった.