分散固相および固相カートリッジカラムを用いたLC-MS/MSによる食肉中の動物用医薬品一斉分析法を開発した.試料に85%アセトニトリル水溶液を加えて分析対象成分を抽出し,ODS分散固相およびポリマー系固相カートリッジカラムを用いて精製を行った.牛肉,豚肉,鶏肉を用いて添加濃度(0.002 μg/g,0.01 μg/g)での妥当性評価を実施した.その結果,動物用医薬品妥当性評価対象70成分に対し,牛肉が64成分,豚肉が58成分,鶏肉が49成分で妥当性ガイドラインの目標値を満した.各動物用医薬品の定量下限は0.001 μg/gまたは0.005 μg/g であった.本法により牛肉,豚肉および鶏肉の各残留基準値を満たし,かつ妥当性ガイドラインの目標値を満たした動物用医薬品は40成分であった.