畜水産食品中動物用医薬品の迅速一斉分析法の妥当性評価を行った.測定はLC-MS/MSを用い,性状の異なる43種類の動物用医薬品を同時に分析した.前処理は,試料5.0 gに対し,1%ギ酸含有アセトニトリルもしくはアセトニトリル15 mLで抽出し,硫酸マグネシウム,クエン酸三ナトリウム,塩化ナトリウムで脱水,塩析した後,20 mLに定容し試験溶液とした.市販牛乳および4種類の生鮮養殖食品試料(さけ,ブラックタイガー,まだい,ひらめ)について,10および100 μg/kgの2濃度,2併行5日間での添加回収実験を行った結果,農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドラインで定める目標値に適合した薬剤は,普通牛乳では40剤,さけでは37剤,ブラックタイガーでは42剤,まだいでは41剤,ひらめでは39剤であった.