食品中の糖アルコール(D-マンニトール,キシリトールおよびD-ソルビトール)を分析する精度の高いHPLC定量法およびLC-MSを用いた確認法を開発した.HPLCでは,カラムにスルホン酸型ポリスチレン系カチオン交換樹脂,移動相に水を用い,カラム温度を50℃,流速を0.85 mL/minとして,3種の糖アルコールを完全に分離定量できた.オレンジジュース,ヨーグルト,チューインガムおよび牛乳に添加した3種の糖アルコールの回収率はいずれも91%以上,CV値3.1%以下であった.アミノ基結合型カラムを用い,アセトニトリル–水(9 : 1),0.2 mL/minでLC-MS分析した結果,ESI(-)では,いずれの糖アルコールも[M-H]-,[M+Cl]-に由来するイオン,ESI(+)では[M+Na]+,[M+Na+CH3CN]+に由来するイオンが観測され,食品中の糖アルコールを容易に確認することが可能であった.