1.東京市杉並區の西,妙正寺川,善幅寺川上流間の臺地に淺井帶があり,地下水面が扁平ではあるが塚状に盛上つてゐて,地下水堆と考へられる。 2.地下水堆は長さ3.5km,幅1.1kmに達し,武藏野臺地に於ては最大である。地下水の動水傾斜は所々稍〓大きくなつてゐるが,地下水瀑布線附近の地下水面のそれに比し著しく小さい。 3.地下水堆は地形から云つて地下水の流出が少い上に厚くローム層下部に粘土層が存在するから生じたものである。 4.聚落發生との間には關係があるらしいが,現在の所證するに足る資料は得られてゐない。