大容量の貯水池が各地に建設されるようになり,その水温の実態と下流におよぼす影響を調査する必要が生じてきた.大容量貯水池内の水温垂直分布については,かつては自然湖の垂直分布に類似しているのではないかと考えられてきたが,田子倉貯水池の観測結果によれば,自然湖の水温分布をそのまま適用することは誤りをもたらすのではないかと考えられる.この報告では貯水池内の水温と流速分布についてのべ,若干の計算と考察の結果を示す.