シュヴァルツの一般集落地理学 (1961) の最も著しい特色は,従来の都市と村落のほかに,新たに中間型集落を分類したことであろう.この概念を中心にドイツの集落地理学の成果の若干を振りかえり,集落地理学の対象と方法を反省し,中間型集落分類の意義を考察した. 集落地理学の対象は外観ないしは物質的構造と機能であり,両者を結合した建造物用途別利用図や土地利用図を基礎とする必要を感じた.次に中間型集落分類の根底に,西欧の都市と農村の概念の個有性があることを指摘した.それは他の種類の地域,たとえば工業地域などとのちがいを明確にする点でも,また世界的な集落地理学の1つの観点を与える点でも有意義である.