本稿は.先学の諸論文を引用しながら,工業地域(筆者は地域集団を工業地域の一つの原形とみなしている)に関する構造論的研究を工業地理学の1研究視点として位置づけ,あわせて具体的研究にいたるまでの筆者の研究立場,さらに研究目標などを要約したものである. 行論にあたり地域集団なる概念を設定しているが,地域集団とは,各種の工業経営体が加工的生産流通過程を通して空間的に統一されて機能しているような工業集積をいい,一般的には,日本在来工業地域の性格を特徴づけている形態である.