指数関数で近似した大気の鉛値プロファイルに大気の長波放射伝達方程式を適用して,完全快晴および曇天時における対流圏下層の任意の高度での,下向長波放射流束を統一的に表現する一般化された公式をまったく解析的に誘導した.誘導された公式の妥当性をすべての高度で吟味することは不可能なので,地上での流束についてのみ,従来の実験式と比較検討した.地上では,完全快晴・曇天に対して中川(1977, 1978)が示した一連の実験式と良い一致を示した.また,公式の理論的誘導の過程において,下向長波放射流束について二,三の新知見が得られた.