テレビジョン学会に設けられた技術委員会の一つとして,当面の課題となっているテレビジョン・スタジオ関係の映像機器,放送機などの試験法の確立を目的とする測定法委員会が昭和29年12月に発足し,以降十余回にわたって審議を進めてきた。ここに提出したものはその結果の一つであり,映像調整装置に関し現在各方面の当事者が実施している諸種の試験法.米国RETMA (Radio-Electronics-Television Manufacturers Association)規格に盛られた試験法などを基とし,取捨選択を討議してまとめたものである。 試験法としては,専門の測定器の開発が充分とはいえないわが国の実情を考慮し,現状で行いうる実用的な測定法を取上げることに重点をおいて検討した,将来測定器数の性能向上に伴って当然よりよい方法が考えられるであろうが,これは別の機会に遂次内容を改め補足をして行きたい。ここに委員の討議賛同を得た部分をまとめて報告し,諸賢の参考に供するとともに批判を仰ぐものである。委員会の構成は下記の通りであるが,委員外の方の御協力によるものも多く,これらの諸氏に謝意を表したい。