NTSCカラー・テレビ方式では, 色差信号 B-Y と R-Y とが, 副搬送波ベクトルで直交するように定められている.この直交関係は必ずしも必要な条件ではない.この関係を変えれば, I 軸と直交する色度軸は, 現在のQ軸とは異なってくる.それゆえ, 上記色差信号 B-Y と R-Y との間の副搬送波ベクトルの位相が任意に変えられるようにして色度対副搬送波の対応を考えることは, NTSCより, 一次元だけ広い視野に立って問題を解決しようとすることである.筆者らは, これを明らかにするため, 交流理論の対称座標法理論を応用して信号を解析し, 次にその解析を利用して色度対副搬送波ベクトルが任意に変えられる送受端局装置を試作したので, その結果を報告する.