この論文は先に発表した「NTSC色信号の対称座標法解析と変形信号の送受信装置」 (3) の続報である.ここで取扱った変形方式とは, (1) 副搬送波の位相が色相に1対1に対応する, (2) 副搬送波の輝度正規化振幅が色の彩度に1対1に対応する, という2つの特長を有する範囲内でNTISC方式を変形したものである.これらの方式中NTISC方式は必ずしも最もすぐれたものであるとは断定しがたいが, 実験および解析の結果ではかなりすぐれた方式であり, これ以上すぐれた方式を明確に定めるためには色彩学の今後の発展にまたなければならないと判断される.