テレビジョンの受信契約者はいまや1000万を突破して諸外国に例を見ぬ異常な発展を示し, テレビジョンが深く家庭に親まれていることは, よろこばしい限りである.もちろん, この発展は国力, 経済, 文化などの多くの要因によるものと思われるが, 一方, その陰にかくれたテレビジョン技術の数々の開発と進歩があるとともに, また多くのテレビジョン技術者の並々ならぬ努力を銘記しなければならない. このテレビジョン年報は, テレビジョン技術の最近の進歩の跡をかえり見るとともに, また来るべきテレビジョンの躍進の技術資料となることを期待し編集した次第である.