写真の調子再現研究の現況を記述した.Eastman Kodak社のJones等が開発した客観的調子再現論の概略をのべ, 主観的調子再現の場へ誘導する課程で生ずる種々の問題点-視感応答, 主観的黒, 輝きの恒常性等について, 筆者等の研究を加えて議論した.さらにネガの粒状性が調子再現品質におよぼす影響や, 輪郭線のボケによる主観的コントラストの変化にも言及した.色差の輝度差による再現に関してはふれてない.