この論文は垂直アパーチャ補正器のトランジスタ化設計の概要ならびに試作結果について述べたものである.ここでは水晶遅延素子の特性を調査して, 現在の遅延素子の欠点を補なうように変調回路および高周波回路一特に遅延素子入出力回路一を設計している.さらに, トランジスタ化にあたって, 温度変化に対する安定性を考慮してシリコンメサトランジスタを全面的に使用し, かつ, 温度補償をほどこした変調回路を採用している.この結果, -20-+40℃において安定な動作を行ない, 無調整で総合周波数特性7Mc, ±0.5dB以内の特性が得られた.また, 1/2ィンチビジコンを使用した超小形テレビカメラと組み合わせて実用性を確認できた.