VIT (垂直帰線期間試験法) を利用して, 長距離山岳回折見通し外回線 (鹿児島-名瀬間) におけるテレビジョン伝送特性の試験を実施し, TV画像品質と各種波形伝送特性を同時観測した.その結果にもとづいて, IF振幅特性-ビデオ振幅特性-sin2パルス特性-TV画質間の相互の変動特性, 画質劣化の発生比率とその継続時間の分布などについて述べて, 画質劣化の発生原因とその機構を究明し, さらに波形伝送特性と画質障害に対する合成受信効果, 周波数偏移を変えたときの画質改善効果, およびその他二, 三の試みによる改善効果を解明している.この伝送試験によって, いままで不明であった見通し外TV伝送における各種の特性が明らかになり, 画質改善に対する有効な伝送方式が明確になり, かつ, 伝送品質の信頼度の推測も確実になった.