視覚の空間周波数特性は, 光学や写真の分野で画像伝送系の解析, 設計に通信工学の理論を適用するようになったのに伴い, 画像の主観的鮮鋭度や粒状性を数式によって推定するために必要となった概念であり, 近年多くの人々が種々の方法によって実測を行なっている.テレビの分野でも最近この考えを用い, 実際に測定や考察を行なっている例が見られる.視覚の空間周波数特性に関するこのような経緯と, いままで発表されてきた測定結果や考察について概要をまとめて述べた.