PAL (Phase Alternation by Line) カラーテレビ方式の基本的な二, 三の問題点を数値的に考察し, NTSCカラーテレビ方式と比較, 検討した.複合カラーテレビ信号伝送系の特性劣化に対し, PAL方式はNTSC方式にくらべいくつかのすぐれた性質を有しているが, 受像機の色復調回路に用いる遅延線の所要精度を保つのに問題があり, また, 簡易PAL形の色再生系ではPAL方式の利点は望めない.一方の色信号位相を交互に反転して伝送する方式は, わが国においても放送局間のテレビ信号伝送やVTR用信号として用いる利用法が考えられる.