CdSeの蒸着焼結膜をターゲットに使って超高感度ビジコンを試作した.感度は従来の管の数十倍で, 量子効率は1を越している.残像も従来のビジコン程度であるが, 光量の少ないところでは長くなる.このビジコンの動作モデルとして, 光で励起された正孔がターゲット内の空間電荷を軽減するために, 電子がビームからターゲットの中へ多数流れ込んで信号を発生するという考え方を提案し, CdSeビジコンの諸特性の測定結果と比較考察した.また, 1より大きな利得を生ずることから, 自由電子の流れは必ずしもトラップと熱的な平衡を保たないということが推測される.