視覚の機能, 特に視力に対する眼球の運動の影響は古くから注目されていたが, 1950年代にRiggsら, および, Ditchburnらが, 網膜上に生ずる像の位置を固定する方法を開発してから, 多くの人々により興味ある実験結果が報告されている.一方, 視覚の空間周波数特性の立場から, 眼球運動による効果を一種の伝送系要素として取り扱う試みもなされている.ここでは, これらの報告を基に, 眼球運動がコントラスト弁別に与える影響について解説した.