カラーテレビジョン受像機の鮮鋭度を改善するために, カラー画像の鮮鋭度は輝度信号によってきまると考え, 輝度信号伝送回路の単位階段波応答におけるプリシュートとオーバーシュートに着目して, 鮮鋭度に対して望ましい両者の大きさの関係を示すなど, 鮮鋭度最適曲線を評価実験より求めた. また, 1MHzにピークをもつ位相直線回路の過渡特性を解析して, 画像伝送系と視覚系の最大レスポンスを与える空間周波数が一致したときに鮮鋭度が高くなるという仮説の裏づけを行ない, この仮説は電気信号系ばかりでなく, 位相変化が直線的な他の画像伝送系, たとえば写真系にも適用しうることを示した.