本論文は, 主として音声多重テレビ受信機における主チャネルから副チャネルへのクロストークについて述べている.一般にクロストークが伝送路の位相特性の非直線性に基づくことは周知であるが, 音声多重受信機系ではこのクロストークレベルの定量的な解析がなされていない。われわれは系の遅延特性から理論式を導き, クロストークレベルを求め, 測定と良く一致するところから式の正しさを示した.この結果, クロストークレベル減少の手がかりを得ることができた.