微小視角の色知覚の特異な性質を量的に明らかにするため, 視角2°, 30′, 10′および1′の赤, 緑および青の3種の色視標について, 両眼等色法による心理測定を行ない, 次のことを明らかにした. (1) 知覚された色は10′および30′程度を境に大きく色相的に変化する. (2) 周囲光があるときには1′視標において彩度低下を生じる. (3) 明るさは10′あるいは30′程度の視標の場合, 他より強調される.これらの結果と衆知の種々の視覚現象を考慮することにより, 視覚の色情報処理には赤-緑, 黄-青の2組の処理機構が関与すると仮定し, その機能的性質を示す心理学的な定性的モデルを設定した.