シリコンターゲットの電子増倍作用 (SEM) を用いて高感度のテレビ撮像管を試作した。像電子はターゲットで数千倍に増倍され, 電荷像として蓄積される.試作管では光電面照度10-5lxの低照度でも撮像が可能であり, 光電子のゆらぎによる画質低下の問題に近づいた.本報告では, まず試作管の一般的特性を述べ, さらに低照度撮像管としてのSEM管の諸特性について考察を行なう。その結果, SEM管にあと1桁の増倍機構を付加することによって, 究極感度に非常に接近できることがわかった.最後に1, 2の応用実験結果, および管の改良に関する最近の新しい試みについても簡単にふれる.