分布定数ハイブリッド回路のひとつに位相反転形ハイブリッドリングがあるが, その位相反転部は通常平衡線路で構成されるため, 漏洩などが生じ特性は理論値にくらべてかなり劣化する.そこで位相反転部を二重同軸線路にし, それにともなって補償回路を付け加えたハイブリッドリングを構成した.このハイブリッドリングのアドミッタンス行列は理論的に特別な形をしていて, そのスキャッタリング行列も容易に求められる.この回路の試作実験を行ない, 理論値と実験結果がほぼ一致することを確認した.