ミニコンピューターによる画像処理のひとつの試みとして, 心胸廓係数の自動測定について述べた.胸部X線像の輪廓線の性質と人間の判断様式との考察に基づく仮説を提出し, この仮説から導かれたアルゴリズムに従って行われた実験の結果から仮説の妥当性を証明した.実験では70mm間接撮影の2,072例中1,974例が手技による実測値と±4%以内の誤差で合致し, 負の誤差によって心拡大の見落しが生ずる確率は0.3%程度であることが見いだされている.