医学分野における画像処理の重要性は年々高まっているが, 特に集団検診の自動化を意図する場合, 眼底写真の認識自動化は欠かせないもののひとつである.これを可能ならしめるためには, 処理アルゴリズムとして, (1) カラー情報の利用による画像品質の改善, (2) 濃淡図形中からの血管境界線の自動抽出, (3) 医師の診断基準と一致するような病状の定量表現方式の確立, が必要であり, これらの研究状況について解説した.