ディジタル画像処理に有用なフーリエ, アダマール等の2次元変換は, 行方向の変換を行い, その中間結果に列方向の変換をほどこしている.画像データ行列が大規模になって補助記憶に行単位で格納しなければならない場合, 列方向の読出しは不便なため普通は中間結果を転置しているので演算時間の増加等の不都合が生じる.本論文は転置を要しない新しい演算法を報告する.とくに実数画像の場合は演算時間, 記憶容量ともに半分に節減できることを示す.また, たたみ込みおよび相関演算にも本演算法が適合していることを示す.