ここ2, 3年間のテレビジョン電子装置研究会の発表論文を中心として, 研究動向をまとめた. 撮像装置では, 固体撮像装置の研究開発の急速な進展と, 家庭用ビデオカメラへの実用化が注目され, 一方, 撮像管の高性能化, 高画質化および材料や基礎的な研究に, まだまだ今後の発展の可能性が感じられる. 表示装置の分野では, 受像管の電子銃を中心とした高性能化や使い易さを目的とした改良研究に注力されており, 他方, 長年の夢である偏平化, 固体化に関しても, 放電表示パネルをはじめとして, 液晶や, EC, ELあるいは螢光表示管等に着実な進歩がみられる. その他, 特殊管, 材料, 基礎技術などの分野でも新しい研究や試みが次々に行われて, それぞれテレビジョン用電子装置の底辺を固めると共に, 将来の技術発展の一翼を担うべく大いに期待される.