現行テレビ方式と完全に両立性のあるEDTV方式の原理モデルを試作し, 画質実験を行った.本論文では, F2方式 (4.2MHz以上の高精細画像情報を, 変形した色副搬送波周波数 fsc で周波数シフトして現行テレビ信号に多重する) を中心に述べる.動画像に対する特性を改善するため, 送信側の輝度信号から動きモードを検出し, 輝度信号, 色信号, 高精細信号の多重, 分離などでは画質劣化の少ない動き適応処理を行う.再生実験では, 静止画像に対して水平560TV本, 垂直400TV本の解像度が得られた.また動画像でも, 時間, 垂直の周波数帯の信号処理による画質劣化はなく, 良好な画像再生ができた.さらに, 既存受像機への妨害も少ないことを確認した.そして, これら画質実験により, 提案方式の有効性を確認することができた.