本論文では, 形状の持つ複雑性に注目し, その性質をフラクタル次元を用いて表現する, ディジタル図形の新しい擬似的な符号化方式を提案する.ディジタル図形の特徴点抽出後, 各特徴点間のフラクタル次元を測定し, その次元に基づいた擬似図形の再生, および再生図形を検定し, 擬似符号化を行った.本方式は, 筆者らが先に提案した擬似符号化方式を改良し, データ量を大幅に増加させることなく, 近似の精度を向上させたものであり, 表示する図形に対して極端な正確さが要求されない分野で有効である.