FMステレオ受信機における同一チャンネルおよび隣接チャンネル妨害を理論的に解析し, 妨害出力を定量的に算出する手法を初めて明らかにした.計算の結果は実測値とよく一致し, 定量化手法の有効性が証明された.ステレオ受信時には, これら妨害波があることによりFM検波出力に生ずる不要スペクトルと, 受信機で再生するステレオ復調用サブキャリアの高調波との積で±300kHz離れた隣接局であってもオーディオ帯に受信妨害を生じるが, FM検波器とステレオ復調器の間にLPFを入れ, 100kHz以上の不要スペクトルを除去することにより, 妨害を受ける帯域を約±150kHz以内に半減できることを計算および実測の両面から確認した.