固体撮像素子を放送用の高画質撮像素子として適用するために, 付加ノイズ発生要因・量共に少ないCCD型の低雑音化と今後の高画質化の可能性などについて種々の検討を行った.まず, ランダムノイズと固定パターンノイズ (FPN) を分離して定量的に測定することができる分析評価法を数した.次に, 新開発の積分型相関二重サンプリング法, および遅延差雑音除去法を用いた低雑音化信号読出し回路により, ランダムノイズを暗電流のショットノイズの程度まで低減できることを示し, ノイズ低減効果の解析結果との良い一致も得た.さらに, 暗電流とFPNの温度依存性の測定結果から, FPNの主因が暗電流の画素ごとのむらによることも確かめた.これらの結果, CCD型撮像素子の今後の低雑音化には, 信号電荷読出し部のアンプノイズと, 暗電流の低減化が重要であることを指摘した.