文字放送の画像のコントラストの主観評価を行い, 好ましいコントラストを明らかにした.ここでは文字輝度と背景輝度との比として定義される量をコントラストとして用いた.結果は, 文字輝度が背景輝度より大きい正コントラストの場合, 文字輝度が100~400cd/m2の範囲でコントラストは10を中心とした値が最適値となり, この値は背景輝度の上昇と共に低下する傾向を示した.文字輝度が背景輝度より小さい負コントラストの場合は, 最適値として背景輝度70~300cd/m2でコントラスト0.3という結果を得た.また, 上記のように定義される物理的コントラストと主観的なコントラスト感との関係をも明らかにした.文字放送の最適コントラストは一般画像の場合の50以上という値に比べるとかなり小さい値であり, この理由を明るさの対比効果の知見より考察した.