先に提案したマイクロカラーフィルタ型フルカラー液晶ディスプレイ (LCD) は多くの研究開発者の努力ですでに実用レベルに達しているが, 一部でバックライトの消費電力が重要な問題となっている.そこで本研究では, このバックライトを取り除いた反射型マルチカラーLCDの実現の可能性を検討している.まず, 各種の表示モードを検討し, 明るさとコントラスト, アクティブマトリックスとの適合性などの点から相転移型ゲストホストモードを採用した.次いでこの電気光学的特性の理論解析を行い, パラメータの最適化をはかった.さらに, その設計条件に基づいて実際にパネルを試作し, 従来の白黒表示のTNセルとほぼ同程度の明るさのマルチカラーLCDが実現できることを示した.