二酸化クロム磁気シート円板 (媒体) への熱磁気記録と磁性ガーネット膜による転写読出しを組合せた光磁気メモリーを構成し, 高速・広帯域信号記録の観点から光変調および磁界変調の2つの方法による信号の熱磁気記録を試みた.また, 記録状態を知る目的で磁気ヘッドによる記録も行った.その結果, 記録法によって読出し信号レベル, 周波数特性に大きな相違のあることがわかった.光変調記録では媒体の線速度が50m/sの時, 9MHzまでの信号の記録を確認し, CN比は4MHzにおいて最大43dBが得られた.熱伝導の計算から信号の記録される深さは媒体表面から0.8μm以下と推定され, これにより磁気ヘッド記録との間に見られる信号レベルと周波数特性の差をよく説明できた。一方, 磁界変調記録では媒体の冷却過程で信号磁界による減磁が生じ, 信号レベル, 周波数特性とも光変調記録の場合と比べて低下した.